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ほんとうに動くの!? 四丁目の巨大鉾 

4丁目鉾
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関東最大級のビッグサイズ鉾(ほこ)

 4丁目鉾の高さはなんと約9m!! 関東各地の鉾の中でもトップクラスを誇る巨大さに、誰もが圧倒される。細部に着目すると、「昇り龍」と「降り龍」と名付けられた2頭の龍を筆頭に、大小60個もの精巧な彫刻が四方全面を覆うようにほどこされている。そして最上部には素戔嗚尊(すさのおのみこと)の生人形(いきにんぎょう)が堂々と載せられている。 

その価値数千万円!? 超リアルな生人形 

 鉾の最上部で睨みをきかす素戔嗚尊の生人形は、1875(明治8)年に著名な人形師・松本喜三郎(まつもと・きさぶろう)によって製作された。生人形の名のとおり、顔から足先までにかけてまるで実際に生きている人間に見えるような精巧な細工がほどこされている。この技術は現代でも高く評価されており、あの鑑定番組でなんと3,500万円もの値段が付いたとのこと!! 

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 「町衆の心意気」が作り上げた巨大鉾 

 鉾が作られたのは1875(明治8)年。4丁目の町衆と同地で買次商(かいつぎしょう)を営んでいた磯部庄七が私財を投げうって製作された。当時の桐生人のなかには「他町会の鉾には負けられない!!」という強い思いがあったという。鉾の目的はお祭りの中で実際に曳きまわすことだが、そんなことはお構いなし。町民たちの激しい競争心が非常に巨大で豪華な4丁目鉾を作り上げたといえる。 

 102年ぶりの鉾巡行。本当に動かせるの? 

 明治末期に町中に電線が張り巡らされたことによって巡行できなくなった鉾だったが、電線の地中化をきっかけとして1995(平成7)年に久しぶりに動かすこととなった。しかし長い間眠っていた鉾の動かし方を知る人はおらず、四丁目の世話方たちは必死に試行錯誤を続けた。その結果、102年ぶりとなる鉾巡行を無事に果たすことができた。その年の祇園祭は久しぶりの巡行を見届けようとする多くの人で沿道が埋め尽くされたという。 

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祇園祭では3丁目と4丁目が当番町の年に開催される、

3丁目の鉾との「曳き違い」にぜひ注目して欲しい。

町中に現れた2台の巨大鉾が豪快に交差する姿を体感して、度肝を抜かれること間違いなし!! 

【取材・文 13期戸嶋 22/04】

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